巨匠の影を越えて〜「酸素」と「樽」を操るアレクサンドル・シャルトーニュの醸造美学〜
テロワールを導出する「酸素」と「樽」の美学
シャンパーニュ地方、メルフィ村。この歴史ある静かな村から生み出されるシャルトーニュ・タイエのワインは、世界中の愛好家やトップソムリエから支持を集めています。現当主アレクサンドル・シャルトーニュ氏は、かつてアヴィーズの「ジャック・セロス」で研修を受けた経歴を持ちます。彼の真髄は、畑での自然なアプローチに加え、セラー内における「樽」の選択と「酸素」との接触量を区画ごとに変幻自在に操る、緻密な醸造アプローチにあります。
1683年から続く系譜と、土壌への畏敬
同メゾンの歴史は古く、1683年にはすでにメルフィ村でブドウ栽培家として創業しています。 アレクサンドル氏が当主を引き継いだ際、彼は土壌学者クロード・ブルギニョン氏と共にメルフィ村の土壌分析を行いました。その結果、砂質、粘土、石灰、砂岩などが複雑に入り組む土壌のモザイクが判明します。単一区画ごとの個性をボトルへ封じ込めるため、果汁の性質に合わせて醸造プロセスを個別化するという手法をとっています。
区画ごとに異なる「酸素」との対話
彼の醸造における特徴は、ワインの骨格に応じた樽の使い分けと、酸化・還元のコントロールです。 例えば、自根のムニエが育つ砂質土壌の「レ・バール」では、品種由来の香りを抑え、テロワール由来の塩味を引き出すため、酸素透過性の高い228リットルの小樽を使用しています。さらに翌年春までウイヤージュ(補酒)を行わず、産膜酵母(フロール)の下でワインを保護しながらミネラルを抽出します。
一方、鉄分を多く含む赤い砂質土壌の「シュマン・ド・ランス」は、果汁の密度が高く過度な酸化を嫌うため、還元作用の強い大樽を選び、発酵直後からこまめなウイヤージュを行ってワインの保護を行います。また、ピノ・ノワールのキュヴェなどにおいては、バトナージュ(澱の撹拌)を行わないなど、区画に応じた精密な醸造が行われています。
グラスの中で解き明かされる、質感の真実
このような醸造を経て生み出される単一区画シリーズは、テイスティングにおいて異なる「質感(テクスチャー)」を見せます。 グラスに注ぐと、輝きのある色調と細やかな泡立ちが立ち上りますが、その後の展開はキュヴェごとに異なります。例えば「レ・バール」ではふくよかな果実味が広がり、「シュマン・ド・ランス」では引き締まった骨格とミネラルがテンションをもたらします。メルフィ村の土壌の多様性を活かした多様な味わいが、シャルトーニュ・タイエの魅力となっています。
シャルトーニュ・タイエ キュヴェ・サンタンヌ エクストラ・ブリュット
メルフィ村の砂質土壌が育むピュアな果実味。次世代の巨匠が手掛ける、生命力に溢れた至高のスタンダード。
シャルトーニュ・タイエ キュヴェ・レ・ゾリゾー (2020)
深層のミネラルがもたらす異例の塩味。樹齢50年超の古樹が織りなす、メルフィ村至高のピノ・ノワール。
シャルトーニュ・タイエ キュヴェ・レ・クアール (2020)
粘土と石灰が交差する村の中心区画。特有の球体的な質感と緻密なミネラルを備えた、スケールの大きな1本。
鉄分豊かな赤き砂質土壌が育む、品種の個性を超越した圧倒的な骨格。大地の記憶を刻む深遠なるキュヴェ。
営業日のご案内
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