トップクラスの評価を受けるRM生産者の「エリック・ロデズ」「ガティノワ」「ギィ・シャルルマーニュ」の３生産者が来日した際に、特別なセミナーを開催して頂きました。

そのセミナーの内容を皆様にもお伝えします。

「特級アイ村で300年、最高区画を守る3つの個性」

シャンパーニュ最高峰のピノ・ノワールを誇る特級アイ村。「ボランジェ」「クリュッグ」と並ぶ最高区画の畑の葡萄のみを使う小規模生産者がガティノワです。

アイ村の中でも丘がある南東向きの特別な斜面を所有、粘土質と石灰質の土壌だからピノ・ノワールが植えることが出来ます。最高の斜面で適した土壌から生まれる葡萄の中でも、熟した物を使います。これが「フルーツ感とエレガンス」な印象を与えてくれるそうです。

ガティノワのシャンパーニュには３つの個性があります。

「アイ村のテロワール、ピノ・ノワールの個性、そして、私とガティノワ家のスタイルです」

RMだから作業は全て自分でやります。アイ村のベストな区画の古い木を使っています。醸造はあまり介入していで自然に任せるようにしています。

私のワイン造りには2つポイントがあります。まずは、収穫を手摘みで行い、熟した良い葡萄だけを選定するために４〜５人で収穫したボックスから更に選果しています。そしてもう一つはプレスの作業です。30年使っている伝統的な垂直式のプレス機を使っています。最新の空圧式にはない、目でプレスをチェックをできるメリットがあります。

そしてデゴルジュは手で行います。ショックを出来るだけ与えないようにしています。
※凍らせないデゴルジュは習得に10年以上かかる恐ろしい技だそうです。

「ボランジェ スペシャルキュヴェと比較試飲」

今回は、RMと大手グランメゾンの比較という事で、同じアイ村の3つ星大手メゾンのボランジェと比較します。

ボランジェ スペシャルキュヴェはタンク、またはオーク樽で一次発酵を行い、カーヴで最低でも3年間熟成させます。常に安定した品質のシャンパーニュを提供するため、コルク栓をしたマグナムボトルで5〜10年間熟成させたリザーヴワインが5〜10％加えられています。

「ボランジェはプレステージキュヴェしかない」と言われる通り全てのアイテムがスペシャルな味わいです。クリーミーで熟成のアロマをとても感じました。

ガティノワからは、アイ・トラディション・ブリュット、アイ・ロゼ・ブリュット、アイ・ブリュット2008、1998を試飲しました。

ガティノワ　アイ・トラディションはフレッシュで、エレガント。アイ村のスタイルがキレイに出ています。分かりやすい印象でありつつ、非常に長い余韻があります。 アイ村のピノ・ノワールの寛容さ、べっこう飴のようなほろ苦さと香ばしさもありました。ミレジメのブリュットは熟成した味わいがしっかりと感じられ、コクがありとても濃い味わいです。

ロゼはフルーツ感が更に感じられます。ピノ・ノワール100%でアイ・ルージュから作られます。甘さとほろ苦さ、そして濃厚な凝縮感がありました。特にいいブドウの年にしか作らない特別なロゼです。

ボランジェとの比較では、ガティノワのブドウの凝縮感、濃厚でコクのある濃い味わいが非常に印象的でした。クリュッグと同じく、ボランジェもドサージュの甘さがボランジェのスタイルを造り出しているように感じ取れました。

シャンパーニュ最高峰のピノ・ノワールの“ブドウの味”を是非ガティノワで知って欲しいです。エリックロデズに続き、RMから抜け出せなくなる確かな魅力がありました。