フィリポナの魅力を解き明かす 来日インタビュー
フィリポナ16代目当主、シャルル・フィリポナ氏が来日。マチュザレムスタッフと、テイスティングをしながらのインタビューに応じていただきました。
インタビュアーはマチュザレムスタッフの安永(ワインアドバイザー)・エットレ(WSETディプロマ)
テイスティングしたアイテム
ドサージュによる明確なアロマの違い
まずはロワイヤル・レゼルヴのノン・ドセとブリュットを比較試飲。どちらもベースは現在2012年のワインを使用しています。そこにリザーヴワインをブレンドしており、両方のキュヴェのベースワインはまったく同じ。ところが、アロマには明確な違いが表れています。
ノン・ドセから感じるのは、シトラスや白い花の爽やかなアロマ。シャープでありながら、滑らかでフルーティーさと酸が調和しています。
【シャルル】「モンターニュ・ド・ランスの南向き斜面のピノ・ノワールを使っています。しっかりと熟した状態で、ノン・ドセには最適。ブドウの熟度が高く、熟成にも時間をかけているので、酸が柔らかく非常にテイスティなスタイルになっています。」
【安永】「ノン・ドセはラインナップの中でどれくらい人気がありますか?」
【シャルル】「ノン・ヴィンテージの中では一番新しいキュヴェなのですが、日本ではロワイヤル・レゼルヴ・ブリュットと同じくらい人気がありますね。全体の生産量では現在25%を占めています。生でいただく新鮮な魚介類や野菜によく合うので、日本の方には好まれやすいと思います。」
ロワイヤル・レゼルヴ・ブリュットは、熟したフルーツアロマが際立ち、凝縮感のあるアタックから充実した果実味が長く続きます。
【シャルル】「ブリュットにはほんのりとした甘みがあり、この1本ですでに完成された味わい。飲み物中心のレセプションパーティーなんかにピッタリですよ。マリアージュをするなら、バターソースやクリームを用いるフランス料理が良いですね。」
【安永】「ベースが同じワインなのに、ドサージュでこれほどアロマに違いが出るんですね。」
【シャルル】「私もノン・ドセを造り始めた当初、凄くビックリしたんですよ!砂糖は本来保存の為に用いるものなので、ドサージュをする事でフレッシュなアロマがキープされると思っていました。しかし、実際はその逆でした。」
【エットレ】「とても興味深いですね。」
【シャルル】「もう1つ驚いた事があります。醸造に小さな樽を使い始めた頃、私達は樽の中で酸化が進むと考えていました。ところが、若い木樽にはまだタンニンが多く残っていて、そのタンニンには酸化を抑える効果がありました。むしろ保存効果がより高まったので、ノン・ヴィンテージにはすべて樽を使用するようになりました。」
【安永】「ノン・ドセは特にフレッシュさを感じます。柑橘系の香りが口に含んだ瞬間から、ぱっと広がりますね。」
【シャルル】「そうですね。柑橘系のフレッシュさと力強いアロマから心地良い酸へと続き、その印象が長く残ります。」
”タンニンは少なく、旨みは多く”を追求したロゼ
続いてレゼルヴ・ロゼ・ブリュットをテイスティング。 果実味が豊富にありながら、軽快なスタイルが楽しめるロゼ・シャンパーニュです。
【シャルル】「2009年がベースです。熟成しても今でもフレッシュに美味しく飲めます。」
【エットレ】「凄くフルーティーですね。」
【シャルル】「ええ。こちらも柑橘系果実のアロマが豊か。ブレンド法で造っています。重視しているのは”タンニンは少なく、旨みは多く”。赤、白、ロゼの3色のワインをアッサンブラージュして、それぞれの良さを出しています。ブラインドテイスティングですぐにロゼ・シャンパーニュと分かるような、ロゼらしいロゼだと思います。」
温暖化による影響
シャルル・フィリポナ氏にお会いしたのは夏本番の暑い午後。近頃気になる地球温暖化の話題となりました。
【エットレ】「ますます温暖化が進んでいますね。フィリポナの”フレッシュさ”に影響を及ぼしませんか?」
【シャルル】「神戸も暑いですね!笑。実際、シャンパーニュ地方ではまだ温暖化による変化は問題視されていません。フレッシュさも大切にしていますが、熟したブドウを使って生まれる”フルーティーさ”も不可欠。その熟度を上げるために、温暖化は現状ではポジティブに作用していると思います。」
当主自らが語るフィリポナの魅力とは?
【安永】「フィリポナはまさに正統派シャンパーニュ!の味わいがありますよね。シャルルさん自身は、どういうシャンパーニュだとお考えですか?特徴的な所は?」
【シャルル】「C'est bon!!(美味しいところ)!笑。」
【安永】「確かに!」
【シャルル】「シンプルに言うならば、力強さとフレッシュさ。そしてフルーティーかつピュア。 それぞれの2つのバランスを大切にしているのがフィリポナです。まるで建築家が設計するように緻密に計算しています。」
【安永】「なるほど。フィリポナはイタリアでもとても支持されていますよね。ファンが多い一番の理由は何ですか?」
【エットレ】「私も大好きです。笑。」
【シャルル】「イタリア人は変わり者だからね!冗談です。真実を見抜けるのがイタリア人なのでしょう。笑。イタリアや日本、フランスはガストロノミックなものへの情熱が強く、その傾向が市場にも表れていると思います。あと、インポーターの方が頑張ってくれていますね!」
終始笑顔を絶やさず、すべての質問に丁寧にじっくりと答えてくれたシャルル・フィリポナ氏。インタビューを進めるほどに、その優しく穏やかな人柄に魅了されました。 フィリポナのキュヴェに表現された温かみのある味わいは、シャルル氏の印象と重なるように感じました。
豊富なアロマが魅力的なフィリポナのスタンダード・キュヴェ。柔らかなタッチはメゾンのスタイルをそのものを表現しています。
フィリポナ ロワイヤル・レゼルヴ・ブリュット【ギフトボックス】
豊富なアロマが魅力的なフィリポナのスタンダード・キュヴェ。柔らかなタッチはメゾンのスタイルをそのものを表現しています。
豊富なアロマが魅力的なフィリポナのスタンダード・キュヴェ。柔らかなタッチはメゾンのスタイルをそのものを表現しています。
フィリポナ ロワイヤル・レゼルヴ・ロゼ ブリュット【ギフトボックス】
華やかな香りとフルーティーな味わいが軽快に広がる正統派のロゼ・シャンパーニュです。
フィリポナ マルイユ・シュル・アイ 2014 【ギフトボックス】
フィリポナのアイデンティティーとも言えるマルイユ・シュル・アイ村の3つの畑をブレンド。生産本数3210本の希少品が限定入荷。
フィリポナ キュヴェ "1522" 2016 【ギフトボックス】
フィリポナ家500年の歴史へのオマージュキュヴェ。メゾン所有のグランクリュ畑からのみで造られる、まさにブレンドの芸術品。
フィリポナ ロワイヤル・レゼルヴ ノン・ドゼ 【ギフトボックス】
最高品質の完熟したブドウを使用した芳醇なドサージュ・ゼロ。力強さを感じる芳醇なスタイル。
アイ村の単一特級畑「ル・レオン」。伝統と革新の調和を象徴するようなハイ・クオリティ・シャンパーニュ。
シャンパーニュ地方でモノポールを名乗れる畑の一つ『クロ・デ・ゴワス』。リッチで洗練された、まさに完璧な仕上がりとも言える極上の品。
営業日のご案内
日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 |
8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 |
15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 |
22 | 23 | 24 | 25 | 26 | 27 | 28 |
29 | 30 |
日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | ||
6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 |
20 | 21 | 22 | 23 | 24 | 25 | 26 |
27 | 28 | 29 | 30 | 31 |