セロスらの団体“トレ・デュニオン”来日 日仏発酵文化の交流
セロス、ジャクソン、ウーリエらの団体トレ・デュニオンの初来日
トレ・デュニオンは、ジャックセロス、ラルマンディエ・ベルニエ、エグリ・ウーリエ、ジャクソン、ロジェ・クーロンのシャンパーニュを代表する5社が2012年に結成した団体です。
隔年、海外各国とシャンパーニュの各蔵元のメゾンにおいてイベントを開催。ワイン造りの背景にある文化的テーマを掲げ、文化交流イベントや、各国を代表する有識者を迎えての意見交換会、及び、試飲会を開催しています。
東京と京都で開催されたうちの京都の内容をご紹介します。
トレ・デュニオン代表挨拶 アンセルム・セロスの哲学
まず、トレ・デュニオンは初めてグループとして日本にやってきました。 日本での体験は、発見が沢山あり、全てが美しく目に写りました。 今日は、異なる文化を発酵というテーマで、フランス側と日本側から観ていきたいと思います。
発酵の文化は世界中にみられるもので、例えばヨーロッパではワインはもちろんヨーグルトやチーズ。ただ、発酵と一つにまとめるとそれだけですが、世界各地の発酵を見ていくとみんな違っています。
一つ一つ見ると地域の気候や風土、原料。様々な要素によって同じ発酵でも世界で全く違うものが出来上がります。 このように発酵によって、その土地にしかない個性・独創性・オリジナリティに繋がっていくと考えます。
私が大事に考えているのは“発酵学”。
分析や数字によって型にはめる姿勢ではなく、新たな驚きや感動、ある日突然超越して全く別の物に変化することを受け入れて楽しむ事が大事です。
そして自然というものはいつも一定ではありません。
我々が職人的な物づくりをするとき、環境や素材は毎年同じではないということです。どう捉え・どのようにアプローチすることで、より良い方向性に導いていくかを考える事が必要です。一つの型にはめる必要はありません。
我々職人は一定ではない原料・土台にする中で、いつも必ずより上へ、もっと美味しく次元の高い世界へ到達出来るか考える必要があります。
発酵においては、どう導いていくかを考える事が我々の仕事だと考えています。
子供を見守るような視点で、醗酵を見守って行くことが大事です。
京都の職人による基調講演
京料理 木乃婦 高橋氏 【発酵の品格】
日本料理人が造る上で大切にするのが発酵の品格。どこまで削ぎ落として、どこを残すかを考え、より洗練していくことが大切です。
成分分析から見る日本料理とフランス料理の違い
懐石コースとフランス料理の成分分析を実施。水分量やタンパク質・脂質などの数値から違いを見つけます。
日本料理はフランス料理と比べると脂質がとても少なく、半分以下の脂質とカロリーです。
また、水分量は日本料理が15%多いため、フランス料理では少ない水分を補填するためにワインを飲みます。
ワインに合う日本料理を造るためには
脂質とタンパク質量を増やせば基本的にワインに合っていきます。簡単にいうと日本料理の総カロリー数を1500キロカロリーにまで上げます。
また、日本のハーブ、木の芽や柚子をもう少し複合的に変えていければ、香気成分が複雑なワインにも合ってくるという事が分析から分かります。
品格を創る発酵食品“昆布”
日本料理の品格、フランス料理より低いカロリーに収めるツールが昆布です。
昆布出汁の香りを成分分析にかけると、ワインでいうブーケの香りと、熟成による香り成分に別れています。
ワインでもなめし革などの香りがあるように、良くないような香りが入る事で全体的に輪郭がしまって自然感が出てきます。全体の香気成分として非常にバランスが良くなります。
また、糖とアミノ酸が熟成してハチミチのような甘い香りが含まれてきます。これが品格を決める、発酵による熟成香です。
職人は自分自身の香りなどの教養を身につける事で、発酵のグレードによって日本料理の品格を創っています。
本家たん熊 栗栖氏 【発酵と鰹節について】
日本の伝統的発酵食品“鰹節” 日本の伝統的調味料には、発酵食品が多くあります。醤油・味噌・日本酒・酢など全て発酵食品です。 鰹節も発酵食品です。熟成中にカビによってタンパク質が分解されてイノシン酸やビタミン類が生成されることで鰹節独特の旨味成分が形成されます。
出汁の違いとシャンパーニュの相性
関西は軟水なので昆布の味をしっかり抽出できます。つまり関西の出汁は昆布主体といえます。かたや江戸の出汁は関東ローム層をつたって出たミネラルの多い水で、昆布の旨味が抽出されにくく、魚の出汁を多く使う鰹節主体です。
出汁の種類による相性をテイスティングします。
関西出汁は旨味と柔らかさがシャンパーニュの酸の強さを和らげ旨味同士をより感じられます。関東出汁ははっきりとした硬質さがシャンパーニュのミネラル感をより引き出すように感じられました。また、力強い風味の亀節を使った出汁では、シャンパーニュの複雑味が鮮明に感じられます。出汁の違いだけでシャンパーニュの印象が変わり、和食とシャンパーニュのマリアージュの奥深さを感じさせられる体験でした。
日本酒蔵元の出展
新政、而今、澤屋まつもとも出展。シャンパーニュ生産者自身も試飲して周り、日本酒とシャンパーニュを一度に試飲できる貴重な機会となりました。
日本料理とのマリアージュ
前日には京料理 木乃婦でメーカーズディナーを開催。過去にセロスにも訪問した木乃婦 高橋氏による、シャンパーニュの酸度に合わせた日本料理とのマリアージュです。
ラルマンディエ・ベルニエ
テール・ド・ヴェルテュ ノン・ドゼ プルミエ・クリュ 2013 生産者ページはコチラ
ノンドサージュと思えないほどに熟した甘い果実の風味が広がります。桃のような香りと香ばしさが特徴的で、酸が尖らず優しい口当たりが印象的です。
ロジェ・クーロン
レゼルヴ・ド・ロメ プルミエ・クリュ 生産者ページはコチラ
スモモのような果実の香り、鮪の刺し身の脂を包むような芳醇さがあります。フレッシュさとミネラルがあり、ポン酢を付けた平目にもぴったりです。
ジャック・セロス
イニシャル(2004年ベース)
04はデリケードでレースのようとセロス氏。熟した果実の濃密な味わいに蜂蜜の香り、青りんごのような爽やかな余韻が長く続きます。
ジャクソン
ディジー コルヌ・ボートレイ 2004 生産者ページはコチラ
ドライで力強い凝縮した味わいと、複雑味が印象的です。熟成によるトースト香が揚げ物によく合います。
エグリ・ウーリエ
ブラン・ド・ノワール グラン・クリュ '17デゴルジュマン 生産者ページはコチラ
柑橘とカシスの香り。穴子の料理に負けない力強さと複雑味があり、香ばしい香りがマッチしています。濃い味付けの料理でも合わせられそうです。
ジャック・セロス含むトレ・デュニオン生産者の来日記念セットが掲載
トレ・デュニオン来日を記念して、5生産者全てを味わえる希少な5本セットを数量限定で掲載。希少なジャック・セロス含む全キュヴェが国内正規品です。安心して本来の魅力をご堪能頂けます。
エグリ・ウーリエ レ・ヴィーニュ・ド・ヴリニィ プルミエ・クリュ【 デゴルジュマン '24】
ピノ・ムニエにおいても究極形。エグリ・ウーリエの魅力溢れる独自のブラン・ド・ノワールです。
ラルマンディエ・ベルニエ ラティテュード ヴェルテュ ブラン・ド・ブラン
ピノ・ノワールが醸すような芳醇さを持つユニークなブラン・ド・ブラン。リッチでエレガントな味わい。
ラルマンディエ・ベルニエ ロンジテュード プルミエ・クリュ ブラン・ド・ブラン
畑が南北に連なる位置を経度(ロンジェテュード)と表現し、ブラン・ド・ブランとせずに変えて品名としています。
ラルマンディエ・ベルニエ ブラン・ド・ノワール プルミエ・クリュ ブリュット・ナチュール 2015
生産数3000本。ヴェルテュ産ピノ・ノワール100%で造られた今回限りの希少キュヴェ。バランスに優れた安定感あるラルマンディエ・ベルニエらしいスタイル。
ラルマンディエ・ベルニエ ロンジテュード プルミエ・クリュ ブラン・ド・ブラン【ジェロボアム】
畑が南北に連なる位置を経度(ロンジェテュード)と表現し、ブラン・ド・ブランとせずに変えて品名としています。
ラルマンディエ・ベルニエ ロゼ・ド・セニエ プルミエ・クリュ
ブルゴーニュワインを思わせる香りと味わい。数多あるロゼの中でも異彩を放つ至高の一本。
営業日のご案内
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