ボランジェが買い付ける高品質なブドウ

コート・デ・ブラン地区、アヴィズ村に1784年より拠を構えるピエール・カロ。 アヴィズの他に、グランクリュであるクラマン 、シュイイ と、プルミエクリュのグローヴに合計7.25haの畑を所有しています。

栽培しているブドウの3分の1を名門ボランジェに提供しており、その品質の高さを窺い知る事ができます。またボランジェがアヴィズ村に所有する0.6haの区画の栽培も小作契約で任されているレコルタンでもあります。その卓越した技術から，同村のジャック・セロスとはなにかにつけ比較されることが多いピエール・カロは知る人ぞ知る存在ながら、アヴィズの天才とも称されています。

自身のシャンパーニュは総生産4万本程度という少なさです。そのほとんどが、フランス国内の古くからの顧客を中心に直販され，国外に輸出されるのはごく僅か。 多くのワインメディアで絶賛されながらも、なかなか手に入りづらい希少なシャンパーニュとなっています。

丁寧なシャンパーニュ造りを真摯に

現在当主を務めるティエリー・カロはランス大学で醸造学を学んだ後、ボルドーやシャンパーニュのテタンジェ，ヴランケンなどで働いた経歴を持ちます。銘酒”クロ・ジャカン”を造り始めたのもティエリーによる発案でした。

自社畑で栽培されるブドウのうち，実質5haで収穫したブドウのみがドメーヌのシャンパーニュ用。環境に配慮したリュット・レゾネを実践しており，土も鋤き起しています。その他手積み収穫など、畑での作業のすべてが手作業。伝統的な垂直式圧搾機を使用し、丁寧に搾汁しています。

「耕作、ブドウ樹の除葉など私たちの入念な手仕事が、卓越を生むための欠かすことの出来ない前提です。」ティエリーの言葉には、真摯にシャンパーニュ造りに取り組むドメーヌの姿勢が表れています。