NMとRMと呼ばれる生産者の業態は皆様もご存知だと思いますが、CMはご存知でしょうか？

CM（コーペラティヴ・マニピュラシオン）とは生産者組合の事で、組合員が栽培したブドウでシャンパーニュが造られます。

今回はそのCMを代表するメゾンの一つ、「マイィ グラン・クリュ」の社長ジャン・フランソワ・プレオ氏とアジア担当責任者エルヴァ ケルラン氏の来日セミナーの内容をご紹介します。

協同組合ならではのシャンパーニュ造り

マイィ グラン・クリュは、モンターニュ・ド・ランス地方でも名高いグラン・クリュ、マイィ村の栽培家より結成された生産者集団です。

今回はメーカーズディナーの形式でお料理と共にシャンパーニュを頂きながらお話を伺いました。

乾杯はもちろんマイィのシャンパーニュ。マイィ　ブラン・ド・ノワールを頂きました。 ブラン・ド・ノワールはフレッシュでコクがありピノ・ノワールの厚みがしっかりと感じられるリッチな味わいでした。

ネゴシアンには出来ない共同組合のメリット

秀逸なピノ・ノワールを栽培する事で有名なマイィ村ですが、どのようにこの味わいが造られているのでしょうか。その答えは協同組合ならではの取り組みにあるとプレオ社長が語りました。

まず、マイィ村とはモンターニュ・ド・ランス地方の北部に位置する村で、ヴェルズネイやヴェルジーと並ぶグラン・クリュです。マイィ村にはモエ・エ・シャンドン、G.H.マム、テタンジェなど名門メゾンの畑も点在しています。

その中でもマイィ協同組合では25の区画からブドウを購入しています。グラン・クリュの村なので、全てグラン・クリュのブドウです。

しかし一般的なネゴシアンのようにただブドウジュースを購入するのではありません。協同組合ではブドウの収穫も農家と一緒に行います。 なので、綺麗なブドウだけ収穫してもらう事が出来るというわけです。

また、組合では2週間に一度、ブドウの成熟を分析します。これは区画ごとに細かく行われ、一番良い成熟時にブドウを収穫することが出来ます。

当然の事のように思われますが、実はとても珍しい事です。 なぜならネゴシアンはブドウの収穫には介入出来ません。協同組合ならではの取り組みです。

一つの村だから、やりやすい。 それに皆知り合いだから、良いライバル意識を持って栽培しています。

また、会社は村の中央にあるから、収穫したブドウをすぐにプレスできるメリットがあります。

飲み疲れしないマイィ村のピノ・ノワール

プレスされたブドウジュースは区画ごとに分けて醸造されます。 そして、1月〜2月は6人からなるテイスティング委員会によってタンクごとの味を確認します。 60種類ものワインと、さらに12年分のリザーヴワイン全てを加味してブレンドされます。

こうして造られたマイィ村のシャンパーニュは飲んでも口が疲れないと言います。

マイィのブラン・ド・ノワールを頂きながら、プレオ社長のお話を伺いましたが、 ふくよかな厚みと熟したブドウをたっぷり感じられる味わいながら、どんどん飲めてしまうシャンパーニュである事が実際に感じられます。

マイィ村のワインは中世から権力者に愛され高級レストランでも饗されたといいます。 飲み疲れを気にすることなく楽しめるという事も気に入られた理由の一つなのかもしれません。

アペリティフや乾杯にブラン・ド・ノワールはちょっと重くてしんどいかもと思われる方にも、ぜひお試し頂きたいシャンパーニュです。

神戸三宮 シャンパン・ワインとフランス郷土料理のお店「クレイエール」様にて