1級畑と特級畑のみを所有する長い歴史を持つマイヤール家

1753年から栽培農家としての長い歴史を持つマイヤール家。本拠地はモンターニュ･ド･ランスのエキュイユ村で、その他にもヴィレール・アルランやブジーに1級畑と特級畑のみを所有しています。

現当主ニコラ･マイヤールが2003年に若干26歳で父ミシェルの後を継いで以来、畑ではより自然で、テロワールを意識した栽培を、醸造面では設備を一新し、小樽を導入するなど精力的に改革を行っています。

現在一部のブドウは親戚が所有する畑より購入しているため、表記上はNM(ネゴシアン・マニピュラン)へ変更していますが、実質的には家族経営で栽培から醸造まで一貫して行うドメーヌ・シャンパーニュです。

フィロキセラ被害を免れた希少なピノ・ノワール

キュヴェ名である"Les Francs de Pied（レ・フラン・ド・ピエ）"が意味するのは、"純粋な足"。

19世紀後半、フランスのブドウ畑を襲ったフィロキセラ禍。その被害を免れ、アメリカ品種台木を用いる事なく接ぎ木なしの自根のピノ・ノワール（ヴィーニュ・フランセーズ）が植わる特別な畑がエキュイユ村にあります。

シャンパーニュでは極めて珍しいこの畑は、斜面南向きの砂質土壌を表土に持ち、単一区画、単一品種、単一年で醸されるこのブラン・ド・ノワールは、まさに純粋な要素に満ちた1本と言えます。

小樽で醸造、バトナージュを行い、ノンフィルターで瓶詰め。ノン・マロラクティック、ドサージュは僅か2g/Lで仕上げられています。

熟れたリンゴやフルーツコンポートを思わせる濃密な香り。そこにパン・デピス、キャラメルのヒントが加わり、しばらくするとほのかにスモーキーな樽のニュアンスも感じられます。

力強さとみずみずしさが調和した印象的なアタックから、ドライな飲み心地で広がる果実味と酸、ミネラリティが織り成すしなやかな旨味。アロマティックでフルーティーな余韻が長く残り、豪快さと繊細さを兼ねた独自のスタイルが楽しめます。