現代の技術と伝統を組み合わせた個性豊かなシャンパーニュ

シャンパーニュ地方の最北端マッシフ・ド・サンティエリーにあるエルモンヴィル村から程近いリューディ「マルジリー」に畑を所有しているドメーヌ・ド・マルジリー。

ドメーヌの歴史は、まだ若いベルギー人のマキシム・ユランスとその父が、廃墟と化したシャトー・ド・マルジリーを2012年に手に入れたところから始まりました。数十年間放置されていたこの建物にかつての栄光を取り戻そうと決意し、再建工事を開始。シャトーの庭園で行われた土壌分析と地元の資料を研究することにより、マルジリーのブドウ栽培の過去について詳細を知る機会を得たことでポテンシャルに確信を持ち、妻のアンナとともに新しいワイナリーを設立するという挑戦を受け入れました。

「地元の資源を活用し、この地域の伝統的なノウハウを尊重しながら、マルジリーとマッシフ・ド・サンティエリーの文化的・歴史的遺産を前面に押し出す」これをゴールに掲げ、個性豊かなシャンパーニュを造っています。

他に類を見ない強いこだわりが窺える醸造プロセス

現在3.8haのブドウ畑を所有しており、砂質土壌が特徴のマッシフ・ド・サンティエリーのフラッグシップ的な品種であるムニエに焦点を当ててつつ、シャルドネもその割合は少ないものの、ドメーヌのワイン造りに不可欠な役割を果たしています。ドメーヌの最も象徴的な畑であるクロ・ド・マルジリーは、ムニエが全体に植えられ、機械的な干渉を一切せずに、オーガニック農法とビオディナミの原則に従って手入れをしており、正式なオーガニック認証 (Ecocert)を受けています。

醸造・熟成において、マキシムは人為的介入をできるだけ避けることを徹底しています。そのため、マロラクティック発酵は自然の成り行きに任せ、澱とともに熟成させている間はバトナージュを行いません。マキシムは、”ヴィンテージ”とは畑でブドウが成長している間の気象条件だけでなく、ブドウが収穫されてからもその影響は続いている。と強く信じており、醸造工程のどの段階においても温度コントロールは行わないため、天候によって熟成過程は毎年異なります。瓶熟成時は、年に2回、手作業でポワンタージュを行い、デゴルジュマンも手作業で行います。

使用する樽においても、地元唯一の樽製造業者であるTonnellerie de Champagne Ardenneと協力して、毎年、細心の注意を払ってオーク材を選択し、1つの樽でもローストの度合いを複数に分けるなどの並々ならぬこだわりを持って、伝統的な205Lの樽に生まれ変わらせています。

著名誌でも高い評価を受ける新進気鋭の注目株

まだ若いながら既に高い評価を受けており、Gault&Millau誌では2020年ワイナリー・オブ・ザ・イヤーに、Bettane+Desseauve誌では2021年ジーニアス・オブ・トゥモローに選出。ワイナリーは現在建設中で、それまではアヤラがかつて使っていた醸造施設を借りています。数多の生産者の中でも際立ってこだわりが強くマニアックといえるマキシムの気質によって、このワイナリーが今後どのような進化を遂げていくのか目が離せません。