総生産600本。表現力豊かなシャルドネから造られるドサージュ・ゼロのブラン・ド・ブラン

ヴァレ・ド・ラ・マルヌのトレルー・シュール・マルヌ村で、1981年に設立、1992年より元詰めを始めたRM。現当主のトリスタン・イエストは、複数のドメーヌで研鑽を積んだ後、2001年に家業に参画。2003年からは、自身の名前をブランド名に、シャンパーニュを造っています。

10種類以上のキュヴェを造っていますが、生産量はごくわずか。各区画ごとや、種類ごとに分けて醸造し、長期熟成することで、それぞれのテロワールを表現しています。

レ・ヴィーニュ・デュ・ヴェルサン・シュッドは、ドメーヌの畑の中で南斜面の区画で栽培されたシャルドネのみをアッサンブラージュして、南向き斜面の個性を表現したテロワールキュヴェ。その名は「南斜面のブドウ畑」を意味し、豊かな日照を受けてよく熟した果実の個性を映し出します。

2020年のベースワインと、2008年から続くソレラ方式のリザーブを半分ずつ用いたブレンド。ステンレスタンクでの発酵・熟成を経て瓶詰めし、43か月に及ぶマチュラション・シュール・リーによって、奥行きと複雑さを感じます。

トリスタン・イエストが目指したのは、ドサージュを一切行わないブラン・ド・ブラン。南斜面ならではの完熟した果実は酸を穏やかにし、ゼロ・ドザージュでありながら厚みとふくらみを備え、表現力豊かなシャルドネは、口中でまるでタンニンのように感じられます。ナチュラルな美しさと、ワインらしい芳醇なアロマを備えたリッチな味わいが楽しめる秀悦な一本です。