シャンパーニュと中華料理　「中華は紹興酒のみならず」

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シャンパーニュと中華料理　「中華は紹興酒のみならず」

シャンパーニュと中華料理の組み合わせ

中国料理に合わせるアルコールは、ビールや紹興酒のみならず。近年、ワインやシャンパーニュとのマリアージュが注目を集めています。ワインアドバイザー安永が提案する新しいマリアージュの形をご紹介。

ワインアドバイザー　安永雅和

株式会社今井商店戦略営業部部長。シャンパーニュ騎士団シュヴァリエの称号を所有。
ワインインポーターのキャリアを経て、世界中のワイナリーを訪問したワインのスペシャリスト。

クレモン・ペルスヴァルをマリアージュ

鮮やかな前菜にはエレガントなシャンパーニュを

コース仕立てのモダンチャイニーズの始まりは色鮮やかな前菜の盛り合わせ。茄子の南蛮漬けや酢漬けしたクラゲのシークァーサー風味には、シャムリィ・プルミエ・クリュ・トラディション・ブリュットのフレッシュなスタイルがフィット。程良い酸味の相乗効果で、食欲を刺激します。

続いて、蟹肉が入った贅沢なふかひれスープ。シャムリィ・プルミエ・クリュ・トラディション・ブリュットの酸が綺麗に残り、蟹の風味と実に上品なマリアージュが体験できました。

【安永】「砂質土壌特有のエレガントさが際立っていて、繊細なお料理とよく合います。シャルドネが85％と多くブレンドされているので、ブラン・ド・ブランのような爽やかさがあります。僅かにブレンドされたピノ・ムニエの芳醇さもしっかり表れていて素晴らしい出来。」

前菜におすすめのシャンパーニュ

アグラパール　７クリュブリュット
 ルイ・ロデレール　ブリュット　プルミエ

香味野菜にはブラン・ド・ブランを

縞あじを香ばしく揚げた一皿にたっぷりと添えられた香味野菜。サクサクの衣を纏った縞あじとほのかな鼻に抜ける柑橘類の香りのソースが絶品。ブラン・ド・ブランが持つレモンの爽やかな風味とよく合います。

滋味豊かな縞あじが口の中でしっかりと主張し、そこにブラン・ド・ブランの優しい余韻が加わります。余韻の長さを活かした絶妙な組み合わせでした。

【安永】「中国料理の醍醐味とも言える香味野菜の辛みには、石灰質土壌のシャルドネの強さが丁度良いですね。少し温度が上がったブラン・ド・ブランの方が、この一皿とは相性が良い気がします。」

香味野菜のお料理におすすめのブラン・ド・ブラン

ピエール・ペテルス　キュヴェ・ド・レセルヴ　ブラン・ド・ブラン　グランクリュ
 ディエボルト・ヴァロワブラン・ド・ブラン

料理に寄り添うブラン・ド・ノワール

強火でスチームした新鮮な太刀魚を彩る空豆のソース。ソースの滑らかな食感とコクのある風味を引き立てたのは、ブラン・ド・ノワール。果実の力強さを持ちながらも、主張しすぎないその味わいは、料理の風味を繊細に残したまま寄り添います。

【安永】「ブラン・ド・ノワールは中盤からアプリコットや梅のような芳醇さが表れます。しかしブラン・ド・ブランほど余韻を引っ張らないので、果実味が料理の後味を消すことはありません。シャンパーニュと料理、どちらの美味しさも楽しめます。」

中華料理におすすめのブラン・ド・ノワール

アンドレ・クルエシルヴァーブリュット
 A.R.ルノーブル　ブラン・ド・ノワール・プルミエ・クリュ・ビスイユ　2009

驚くべきラタフィアの万能性

今回のマリアージュ体験で最も印象的だったのが、ラタフィアの万能性。濃厚で凝縮感があり、前菜のチャーシューやメインである牛肉の味噌炒めの豊かなコクと相性抜群。旨味たっぷりの中国料理に負けない強さがあり、芳醇な紹興酒を合わせたかのように互いを引き立て合います。

【安永】「濃密な味噌炒めにはシャンパーニュの酸味よりも、ラタフィアの甘さがマッチします。このラタフィアは、最初から最後まで合わせたくなるほどのオールラウンダーな存在でした。抜栓してからも長く置いておけるので、毎晩少しずつ楽しむのも良いですね。」

ワインアドバイザー安永が語るクレモン・ペルスヴァルの魅力

【安永】「クレモン・ペルスヴァルは、素朴なシャムリィ村にありながら、どのキュヴェも非常に高い品質。果実の力強さがよく表現されていて、ブドウそのものの質の良さが伝わってきます。素材が良いから派手なメイクは要らないといった感じでしょうか。
クレモン・ペルスヴァルで最も特徴的に感じられるのが、その余韻の柔らかさ。ドライな味わいなのに、後味にはミカンのような優しい甘さが残ります。最後まできちんと美味しさが続く、そんなシャンパーニュですね。」

クレモン・ペルスヴァルのシャンパーニュは、すべてノン・ドサージュ。ほんのりと感じる甘みはブドウ由来のものです。極辛口の味わいが極めて柔らかなタッチで楽しめるスタイルは、まさにマリアージュにふさわしいと言えそうです。