飛躍的な発展、新世代生産者ラエルト・フレールを味わう
既に高い評価を受けている新世代の生産者ラエルト・フレールですが、そのクオリティがここ数年で更に向上していると言います。
シャンパーニュの騎士であり、ワインアドバイザーの安永がテイスティング。今回はテイスティングを通してラエルト・フレールの魅力を分析します。
ワインアドバイザー 安永 雅和
株式会社今井商店 戦略営業部部長。シャンパーニュ騎士団シュヴァリエの称号を所有。
ワインインポーターのキャリアを経て、世界中のワイナリーを訪問したワインのスペシャリスト。
ブリュット ウルトラディション (2017.10デゴルジュマン)
ラベルデザインはとてもシンプルですが、“ウルトラ”と“トラディション”をかけ合わせたウルトラディションのネーミングがユニークです。
ムニエ60%、シャルドネ10%、ピノ・ノワール10%で、ドサージュ6〜8g/L。
色合いは少し濃いイエロー。
グラスに注いだ瞬間からふわっと香りが広がります。黄色い果実や花を思わせる香り高いシャンパーニュです。
抜栓すぐはパンチのある味わい
やや低めの温度からテイスティングスタート。
口当たりにパンチがあり、中盤にかけて味わいが広がりますが重たくなりすぎない良質なムニエの特徴をしっかりと感じられます。
レモンやグレープフルーツなどの柑橘のニュアンスが強く、中盤からはみずみずしい八朔の粒感を感じられるようなフレッシュな香りが続きます。
「本来の香りの広がりを感じるにはもう少し高めの温度まで待ったほうが良さそうです。」
時間が経つとあらわれる味わいの大きな変化
20分経過後、抜栓直後より落ち着いています。
空気に触れると、どんどん変化していき落ち着いた美味しさが出てきます。甘みと滑らかさが出てきて低ドサージュとは思えないほどバランス良く馴染んできてます。
空気に触れたことと、温度が上がったことで香りが物凄く出てきました。
しっかりとした柑橘系の香りの奥に、穀物を焼いた時のような甘さ、香ばしさ等の様々な香りが感じられるとても複雑な香りです。
開けたてのハツラツなイメージから大きく変化して、柔らかさや優しさがどんどん出ています。 また、初めの印象よりも余韻が長くなり、後半に力強さが加わってきました。
変化を楽しみたいのでフルートグラスよりは丸みのあるグラスを。液面に空気が触れやすいのでおすすめです。
しっかりとした酸と果実味に寄り添う料理を
フルーツの果実味がしっかりとあり、その中でもはつらつとしたレモンのニュアンスが強く出ているので、アジの酢漬け、カルパッチョのような魚料理に合いそうです。
酢豚のような酸味のある中華にもすごく良いと思います。
翌日以降の変化
抜栓から2日目、3日目は、空気に触れて酸がなめらかに、より柑橘系の甘い香りが出てきました。
熟した八朔のみずみずしさ、甘さが更に感じられます。発泡は落ち着いてワインとしての美味しさが楽しめます。
全体の印象
一言でいうと“引き締まった優しさ”です。しっかりとした酸が常に酒質を引き締めてくれていながらも、ほっこりとした優しい美味しさが感じられるようなメリハリのある味わいです。
力があるブドウから作られているからこそ少人数で時間をかけてゆっくり楽しんで欲しいシャンパーニュです。 ストッパーをしておけば翌日や2日後も楽しめますし、更に変化した美味しさが見つかりそうです。
ロゼ・ド・ムニエ (2018.10デゴルジュマン)
ムニエ100%のロゼ。シンプルなウルトラディションと違って、華やかなラベルです。
セニエ方式のワイン30%に、10%の赤ワインと60%の白ワインを合わせて醸造した非常にユニークなキュヴェです。
お洒落なエチケットも注目ですが、ロゼの色合いがとても良いです。 見た目や色合いが心地良い気分にしてくれるのもロゼの魅力です。
抜栓直後から親しみやすさを感じる豊かな香り
バラやスミレのような濃い香りが感じられます。イチジクや杏、アセロラ、梅やしそのニュアンスもあり非常に複雑な香りです。
普段から慣れ親しんだ果実の香りがあることで、第一印象としてはとても親しみやすい印象です。
口に含むと最初にしっかりと酸が感じられます。きつい酸味ではなく、ほどよい綺麗な酸です。
旨味とタンニンも感じられ、とても飲みごたえがあり心地よい余韻が残ります。
最初から広がりの力強い香りで、ロゼの色合いがとてもきれいなのでフルートグラスが見栄えもよくて楽しめそうです。
料理とのマリアージュ
ワイン単体でも十分に楽しめるシャンパーニュなので、ワインの旨味を邪魔しない料理が良いと思います。
暑い日はトマトソースの冷製パスタなどと合わせても最高ですね。 このワインの旨味を邪魔しないような一般的な料理で、根菜の煮物もぴったりだと思います。 馴染みのある和食ともぜひ合わせてみてください。
しっかりとした料理なら、オレンジソースを使った鴨肉、火を通した脂ののったサーモンにもよく合うと思います。
翌日以降の変化
抜栓から2日目、3日目は、赤いベリーの香りがより感じられます。
タンニンの骨格がよりしっかりとしてきて、赤ワイン的な飲みごたえが楽しめました。
全体の印象
しみじみと飲みたいワイン的なシャンパーニュだと思いました。最初の口当たりのインパクトから余韻まで飽きさせない美味しさがあります。
このロゼも3日4日と変化を楽しめるシャンパーニュですね。 エネルギーある美味しいムニエに出会えた貴重な機会でした。
→生産者ページはこちら
ラエルト・フレール レ・セット・セパージュ(2005-2019)
古代品種を含む7種類のブドウをブレンド。250年前のシャンパーニュの味わいを現代に蘇らせる意欲作。
ラエルト・フレール ロゼ・ド・ムニエ エクストラ・ブリュット
3つの異なる醸造方法を行なったワインをブレンド。古樹のムニエ100%で多彩なニュアンスを表現。
ラエルト・フレール エクストラ・ブリュット レ・ザンプラント 2017
古樹のシャルドネとピノ・ノワールを半分ずつブレンド。心地良い緊張感と滑らかさを感じる鮮やかな1本。
ラエルト・フレール ブリュット・ナチュール ナチュール・ド・クレ プルミエ・クリュ
コート・デ・ブランのヴェルチュ(Vertus)とヴォワプルー(Voipreux)に位置する畑のブドウを使用したオーレリアン渾身のブラン・ド・ブラン。
ラエルト・フレール エクストラ・ブリュット レ・ヴィーニュ・ドートルフォワ 2018
一昔前(Autrefois)の、味わいの豊かさと繊細さを併せ持つシャヴォ村のピノ・ムニエを伝えるシャンパーニュ。
ラエルト・フレール ブラン・ド・ブラン ブリュット・ナチュール
ラエルト・フレールの次なるステージを感じさせる出色のブラン・ド・ブラン。ドサージュ・ゼロの澄んだ味わい。
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