伝統を重んじながらも柔軟さを備えた名門

メゾンの歴史はドン・ペリニヨンと同時代にあたる1687年に遡り、4代目ルイがヴァレ・ド・ラ・マルヌ地区ウイイに居を移し、8代目ルイ・アドリアンが1928年にシャンパーニュ造りを開始。家族経営を守り、現在は12代目のブノワが中心となって丁寧なシャンパーニュ造りを続けています。

畑はマルヌ渓谷の斜面にあり、100％自社畑。自然力を上げるべく、近年はビオディナミに転換中です。

メゾンの原点を体現する珠玉のシャンパーニュ

創始者ルイ・タルランの名を冠したトップ・キュヴェ「キュヴェ ルイ ブリュット ナチュレ 1996」は、シャンパーニュのグレート・ヴィンテージに仕立てられた特別な一本です。マルヌ川沿いに広がる単一畑「レ・クレイヨン」のブドウを使用し、チョーク質の土壌に1946年と1948年に植えられた古木がその味わいに奥行きを与えています。

オーク樽で澱とともに8ヶ月間熟成させ、マロラクティック発酵は行っていません。1997年5月に瓶詰めされ、長い時を経て2024年6月にデゴルジュマン。

グラスに注ぐと泡は細やかで、クリスタルのように輝きます。ドライフルーツやヴァニラ、トーストの繊細で複雑なアロマが広がり、味わいは華やかでなめらか。やさしい蜂蜜のニュアンスが余韻に寄り添い、長期熟成が生み出す深みと落ち着きを感じさせます。ドサージュは0g/Lで、ピノ・ノワールとシャルドネの完全なバランスがこのキュヴェの純粋な美しさを際立たせています。