芳醇なピノ・ノワールの名産地アンボネイ村で、自然を尊重したシャンパーニュ造りを続けるRMアンリ・ビリオを訪問しました。
プロフェッショナルから愛好家まで多くの人々を魅了しているアンリ・ビリオの魅力をお伝えします。

家族経営を守り続ける貴重なドメーヌ・シャンパーニュ

アンリ・ビリオを訪問して温かく出迎えてくださったのは、現在ドメーヌを牽引するレティシア・ビリオさん。歴史や特色について丁寧に説明してくださいました。

元々ブドウ栽培家として大手メゾンに供給していましたが、1937年にアンリ・ビリオ氏がシャンパーニュ元詰を開始しました。

その息子のセルジュ・ビリオ氏が更に発展させ、知名度を高めました。現在でも家族経営を守り続け、2012年からはセルジュ氏の娘であるレティシアさんが中心となってドメーヌを運営し、伝統を継承しています。

アンボネイ村最良の区画から収穫される重厚なピノ・ノワール

アンボネイのクオリティーの高さを知らしめるのは、クリュッグのクロ・ダンボネイやエリック・ロデズやエグリ・ウーリエなど世界的に著名なシャンパーニュの存在です。

そんな中でもアンリ・ビリオは、理想的な斜面中腹部(標高150〜180mの区画)を中心に18区画を含む4.7haの自社畑を所有しています。

アンリ・ビリオ以外ではほぼ大手のネゴシアンが所有している類稀な畑で、昔ながらの手作業を大切にしながらリュット・レゾネ栽培でブドウを育てています。

有名なシャンパーニュ専門家であるピーター・リエム氏は「私はアンリ・ビリオの大ファンだ。買う価値のあるシャンパーニュである。アンリ・ビリオのロゼは私の最も好きなロゼ・シャンパーニュの一つだ。」と述べています。

極力手を加えない自然を尊重した醸造

シャブリ式剪定による低収量、 南向き斜面で育つブドウは理想とする糖度を満たすまで収穫しません。垂直式のコカールタイプで圧搾、グラヴィティ・システムを採用し、一番搾り果汁（キュヴェ）はホーロータンクにて醸造しています。

ワインは既に重厚で味わい深い為マロラクティック発酵は不必要であるとしてブロックし、ノン・フィルターで瓶詰めされます。

瓶詰め後は常に一定の温度と湿度に保たれた地下3階に広がるカーヴで保管され、ルミアージュやデゴルジュマンもカーヴ内で行われます。

レティシアさん「アンボネイのワインはワインとしての品質が高く、力強さがあります。それでいて繊細でフィネスを備えています。それらを表現する為に私達は出来るだけ自然を尊重し、余計な手を加えないようにしています。」

カーヴ見学後のテイスティングでは、グランクリュ・アンボネイ100％のアンリ・ビリオの魅力に出会いました。

→アンリ・ビリオのテイスティングノートはこちら