セミナーレポート〜革新の最新作。ジャクソン「キュヴェ #749」が魅せるパウダースノーの緻密な酸
宿命のカウントダウンが刻む、至高の芸術――ジャクソン「キュヴェ #749」誕生
18世紀末から続く名門ジャクソン。その代名詞である革新的な「700シリーズ」は、2008年の「#728」からスタートし、今年で21作目を数えます。最新作「キュヴェ #749」のリリースは、ただの新作発表に留まりません。シャンパーニュ愛好家にとって注目すべき一本の登場です。一足先に開催されたお披露目セミナーの模様と、そのクオリティに満ちた試飲レポートを詳細にお届けします。
偉大なるシケ兄弟の勇退と、揺るぎなきテロワール重視のフィロソフィー
今日の同メゾンが誇る世界的評価を確立したのは、ジャン=エルヴェとローランのシケ兄弟です。ファンにとって寂しい知らせですが、シケ兄弟による醸造は次作「#750」までとなります。まさに今回の「#749」は、二人の引退に向けたカウントダウンの幕開けを告げる、非常に貴重なキュヴェです。 最後の最後までその味わいを見届けたいというファンの思いに応える、見逃せない仕上がりです。
アルテミス・グループの傘下となった現在、これまで培われた高品質でテロワールを重視したワイン造りの伝統を守りつつ、最新技術が導入されるなど着実な進化を遂げています。
低収量から生まれた繊細なエレガンスと、シャルドネがもたらす硬質さ
今作「#749」のベースとなるのは、2021年ヴィンテージです。春の霜害などの影響により低収量となったものの、繊細でエレガントなスタイルに仕上がりました。 前作同様にシャルドネの比率が高く、ジャクソンらしい美しい硬質さを備えているのが特徴です。なお、今回のシングル・ヴィンヤード(単一区画)シリーズのリリースは「アヴィス シャン・カン 2015」のみに限定されています。これは、上質な単一区画のブドウの多くが、2015年ベースの「#743(700シリーズ初のノン・ドゼ)」に用いられたため、今回は「シャン・カン」のみの発売となった背景があります。
パウダースノーが舞う緊迫の美から、長期熟成「744DT」の深淵へ
「#749」のグラスからは、柑橘類や金柑などの果実、白い花、レモンゼスト、ほのかなスパイス、トーストなどのアロマが広がり、シャルドネの強い存在感を感じさせます。口に含めば、きめ細やかな泡がパウダースノーのように緻密な酸となって口中を包み込みます。レモンやオレンジピールの爽やかな風味、ミネラル感とソルティな要素がタイトなスタイルを引き締め、黒ブドウがもたらす骨格が重心を低く保つことで、ジャクソンらしい硬質感と見事に調和しています。
前作「#748」との比較試飲では、昨年のリリース直後の張り詰めた緊張感から一転し、現在はしなやかさが増し、深みを帯びた印象へと変化している姿が印象的でした。熟したレモンやミネラルの風味に、ミントの清涼感とチョーキーさが重なり、豊かな表情を見せてくれます。
さらに同時リリースされる「#744 デゴルジュマン・タルディフ(D.T.)」は、少量生産のみの希少品です。全体が2016年のブドウで構成され、秀逸なピノ・ノワールが収穫できたヴィンテージの特徴を見事に表現しています。熟した柑橘類やアーモンドなどの複雑でコクのある味わいながら、極めてエレガントでシームレスなテクスチャーと、ジャクソンらしいミネラル感が堪能できます。
新たな名作をリリースするたび、私たちに高揚感をもたらす同メゾン。最新作「#749」もまた、ワインとしての圧倒的なクオリティ、長期熟成を可能にする卓越した酸とミネラルを備え、プロフェッショナルや愛好家の期待に確かな味わいで応えてくれるはずです。
営業日のご案内
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