ブージィを最も純粋に表現する造り手

モンターニュ・ド・ランス地区の中でも、最もパワフルなピノ・ノワールを生み出す産地がグランクリュ・ブージィ。ブージィ産のブドウの多くは大手メゾンに供給される為、ブージィ100％のシャンパーニュを飲む機会は多くありません。

ジャン・マリー・バンドックは、僅か3haの自社畑からブージィのテロワールを純粋に表現したキュヴェを生み出しています。所有する畑が位置するのは、真南を向いた斜面の上。比較的浅い表土の下にはこの土地特有のチョーク層が広がっています。たっぷりと太陽の光を受ける贅沢な環境の下、ブドウは十分な糖度を確保します。

収穫されるブドウは他のグランクリュに比べるとアルコール度数が高く、凝縮感も圧倒的。堅固な骨格を持ち、男性的な力強さのある味わいは、ブージィの個性そのものを見事に映し出しています。

ブノワ・ライエも参加していた”ソシエテ・ヴィニュロン”

ジャン・マリー・バンドックはブージィ村の5つの造り手と共に”ソシエテ・ヴィニュロン”と呼ばれる組合を形成。かつてはブノワ・ライエも参加していたその小さな組合では、圧搾・発酵からティラージュまでの醸造設備を共有しています。

小さなヴィニュロン（ブドウ栽培から醸造まで行う造り手）は、自前の醸造用施設を持つ事は難しく、共同で醸造設備を使う事で自らのシャンパーニュ造りが出来るのです。

それは大手ネゴシアン主導のブドウ購入制度からの脱却を実現し、ハイクオリティなシャンパーニュを追求するヴィニュロン達の品質へのこだわりを可能にしました。

長期熟成と高比率のリザーヴワインが叶えるコクと強さ

ジャン・マリー・バンドックの顕著な特徴は50％以上のリザーヴワインを使用する事。その理由として当主であるシルヴァンは「ワインとしてより深みのあるものを造りたいのと、ブージィのピノ・ノワールは少し熟成した方が個性が出る。」と語っています。

またノン・ヴィンテージキュヴェの熟成期間が、法定では最低15ヶ月のところを36ヶ月〜48ヶ月と長きに渡り熟成。そうして独特の強さと厚みを持ったキュヴェが造られているのです。

シルヴァンの義兄であるラエルト・フレールのオーレリアンは、次のように断言しています。「ブージィ村の特徴を知りたければ、ジャン・マ リー・バンドックを試すと良い。ブージィの個性を最も素直に表現したシャンパーニュだ。」