厳しい環境条件下、極めてレベルの高いビオディナミを実践

1930年代よりブージィでシャンパーニュに携わる生産者で、ブノワ・ライエは1993年に家族経営のドメーヌを継ぎ、1996年に元詰めでシャンパーニュを造り始めました。 北限に近いシャンパーニュ地方の厳しい自然環境の中で有機栽培を開始、畑に草を生やし、ビオディナミ・トリートメントに着手します。

2002年にビオディナミにおける天才醸造家エルヴェ・ジェスタンと出会いにより、その情熱はより強固なものへと発展。非常に勤勉なブノワ・ライエは、エルヴェと深い絆で結ばれ、様々な試みに挑戦しながら目指す高いステージへと登りつつあります。

可能な限り自然に沿った栽培・醸造を行う

ブージィ、アンボネイ、トクシエール、ヴォワプルに所有する畑の総面積は計4.8ha。ブージィから遠くはなれたコート・デ・ブランのヴォワプルの畑には、樹齢50年のシャルドネが植えられています。畑仕事を手伝わせる為にロバ2頭と馬を1頭飼い、自家製の堆肥を使用する等自然に沿った栽培を徹底。

醸造工程では「可能な限り最小限の介入」（ミニマル・インタヴェンション）を追求。樽発酵で用いるのはすべて野生酵母、マロラクティック発酵はワインに応じて行っています。ライエ自身はすぐに複雑味を醸すマロ、徐々に深みを出すノン・マロと捉え、両者のブレンドを好みます。

ドサージュは年を重ねるにつれて着実にその量を減らし、エクストラ・ブリュット、ノン・ドゼを愛するシャンパーニ・ファンからも非常に注目されています。しかしながら、ライエはノン・ドゼを志向しているわけではありません。ワインのバランスを何よりも重視した結果が慎重なドサージュへと表れているのです。

日本、世界の注目を集めるライエのシャンパーニュ

数年前にエルヴェ・ジェスタンをフィーチャーした日本の著名なワイン専門誌で、ブノワ・ライエが大きく紹介されました。その注目の高さとは裏腹に、生産量が少なく年間僅か40,000本。大変希少なシャンパーニュとなっています。

シャンパーニュ専門家ピーター・リエムは「ライエのワインは、強烈でありながら重たさの気配はなく、いかにもワインらしくて濃密な性格を示している。ということは、畑作業の質に重きが置かれていることを物語っている。」と述べています。