その土地を愛す二人の愛が詰まったシャンパーニュ

’’優れたシャンパーニュとは、まず優れたワインでなければならない。’’をモットーに1967年より続くメゾン「M・マルクール」。コート・デ・ブランの南部にあるセザンヌ地区に本拠を構え、メゾンを運営するのはこの地を愛すフロランスとジュリアン。

ジュリアンはマルクール家の3代目。フロランスはホテル・レストラン学校で学んだ生粋のシャンプノワーズで、ワインと料理に精通しています。二人は日常生活からシャンパーニュ造りにまで「質」を求め、シャンパーニュという土地を愛し、最大限の地産地消を好みます。

’’バランスと緊張感こそが最高のワインが持つもの’’という考えで、はっきりとした特徴があり、手がかけられ、愛情を注がれたシャンパーニュを造っています。

伝統的、独創的手法のブレンド

ブドウ栽培においては、フランス農務省認定HVE農法の認証を受け、自家発電の再生可能エネルギーを用い、野草を守り、除草作業の際は飼っている山羊や家畜を使い、有機栽培を取り入れるなど環境に配慮をしています。メゾンで使用する樽は5km程度しか離れていないトラコンヌの森のオークやアカシアの木を使用し、2007年にMOF（フランス最高職人）の資格を取った職人が作っています。

マルクールのシャンパーニュの特徴である香りの複雑さは、セザンヌ地区のテロワールに由来します。ミネラリーで非常に精密なキャラクターはチョーク土壌のシャルドネから、力強い酒質は石灰石のゴロゴロとした土壌のピノ・ノワールから表現されます。

醸造は伝統的な面と、独創的な面を併せ持ち、ジュリアンが行うのは伝統的手法。醸造はステンレス・タンクだけでなく、木の発酵槽も用い、熟成用の樽も小樽や中樽から5000Lの大樽まで使います。樽による熟成はシャンパーニュに複雑味をもたらしますが、特にアカシアの樽は花の香りや柔らかなテクスチャーを与えて、ピノ・ノワールの強さを上手に和らげます。

一方で独創的手法を行うのはフロランス。220Lと50Lのガラス製の容器を用いて、料理をする感覚で中の色合いを見ながら、香りを嗅ぎながら、女性的な感覚で進めていきます。ガラスの容器で造られるロットは、ピュアで自然で、ブドウの新鮮さを見事に表現していています。何よりもガラス容器自体は非常に清潔な素材ということも利点です。最終的には、二人の手法がブレンドされ、各キュヴェが作り出されます。

シャンパーニュという土地を愛す二人の造る本格的な’’愛好家のためのシャンパーニュ’’を是非お楽しみください。