型破り！スティルワインへの強い情熱を持つシャンパーニュ生産者

コート・デ・バールの中心地トロワから南東に約40kmほど離れたレ・リセ（Les Ricey）に本拠を置くドメーヌ「オリヴィエ・オリオ」

「シャンパーニュを造るよりも、スティルワインを造るほうに刺激を感じるのです」「シャンパーニュ地方でもっともシャンパーニュ地方人らしくないでしょう」と語る当主オリヴィエ・オリオは、2000年から自らのブランドでワインを造りはじめ、ロゼと赤ワインにのみ焦点を絞ることとなりました。現在では、シャンパーニュも造ってはいるものの、生産量の2/3はスティルワインです。

所有する7haの畑のうち、1/3は自らのワイン用、1/3は協同組合、1/3はネゴシアンへの売却用として分けられています。オリヴィエは全ての醸造過程にこだわりぬいており、他の情熱あふれる新世代の生産者の例に漏れず、オリヴィエ自身も環境に配慮した栽培法を実践する情熱的な生産者。リセにある協同組合の代表を務めている父セルジュからドメーヌを引き継ぐと同時に化学肥料や除草剤の使用を中止し、2002 年からは自身のブランドでリリースするワイン用の区画でビオディナミを採用しています。

テロワールを尊重したワイン造り

テロワールにも重きを置き、リセに持っているバルモンとヴァラングランという二つの畑をそれぞれ別に醸造しています。その結果オリオ名でのシャンパーニュを新しくリリースできるようになり、バルモンの畑からはロゼと赤のスティルワイン、白とロゼのシャンパーニュが生まれています。

オリオが手掛けるロゼ・デ・リセは、通常よりも長い7〜8日間かけて全房マセラシオンで造られます。ブルゴーニュのドメーヌ・ダルロの1年樽を使い、自然酵母を使用し出来る限り時間をかけゆっくりと醗酵、翌年の秋まで澱と共にエレヴァージュ。清澄も濾過もせずに瓶詰めを行います。「木樽で醗酵しても、タンクでの醗酵後に春に樽に移すよりも樽の風味がより少なくなることに気づきました」ビオディナミを採用することで得られたワインの特質こそが、木樽を使ってワインを醸造できることにつながったのだと言います。

単独畑産の洗練されたオリオのロゼ・デ・リセはもちもん、テロワールを尊重し繊細に表現した彼のシャンパーニュもまた、シャンパーニュ愛好家の興味を引き続けることになるでしょう。