特級アイ村、注目のRMアンドレ・ロジェ

1876年からブドウ栽培を営む名門の家系で、1967年、4代目のアンドレ・ロジェがドメーヌ元詰めを開始。ボランジェなど大手メゾンにブドウやバルクワインを供給しながら、レコルタン・マニピュランとしての歴史を歩んできました。

1987年より当主となったジャン・ポル・ロジェは、「理想のアイのシャンパーニュを造りたい。」という強い思いから、より高みを目指して方向性を転換していきます。

厳格なリュット・レゾネ栽培を行い、最新の醸造設備の導入。一番搾り果汁だけの使用、区画毎のきめ細やかな醸造といった品質重視のシャンパーニュ造りを徹底。理想のスタイルが実現した2006年、世界に向けての発売が始まったのです。

当主ジャン・ポル・ロジェが初来日

アンドレ・ロジェを世界水準のメゾンへと導いた5代目当主ジャン・ポル・ロジェ氏が初来日。素朴で実直な人柄で、真摯にシャンパーニュ造りについて語ってくれました。

重要な3つのポイント

・ヴィエイユ・ヴィーニュが多い（平均樹齢35〜60年に及ぶ古樹のピノ・ノワール）。

・”ラ・キュヴェ”と呼ばれる一番搾り果汁のみを使用。

・スタンダード・キュヴェからグランクリュ・アイ100％である。

シャンパーニュにおいて、グランクリュ・アイの存在感は別格。アイのピノ・ノワールは、優雅で繊細、そのバランスの良さが魅力です。アンドレ・ロジェのキュヴェは、アイのシャンパーニュに求める特別感をすべて備えています。

テイスティング

ブリュット・グランド・レゼルヴ・グラン・クリュ

「溌剌としたフレッシュさを楽しんで欲しい。」と話すジャン・ポル・ロジェ氏。 アイ村のピノ・ノワール70％+シャルドネ30％。最初に感じる熟したベリーやアプリコットの力強いアロマは、しばらくするとより芳醇さが増していきます。活き活きとしたアタック、ミネラル感と微かな焼き菓子やスパイスのニュアンスがデリケートさを加えています。

ブリュット・ミレジム・グラン・クリュ　2009

アイ村のピノ・ノワール85％+シャルドネ15％。きめ細やかな泡立ち、クリーミーな質感で濃密な味わいが広がります。ドライフルーツの香り、クッキーやクリームのニュアンスも感じられ、まろやかさの中に熟成感がしっかりと感じられます。 ヴィエイユ・ヴィーニュの表記は無いですが、平均樹齢45年のブドウを使用しています。

ブリュット・ヴィエイユ・ヴィーニュ・グランクリュ

アイ村のピノ・ノワールのみで造られる贅沢なブラン・ド・ノワール。最上級の区画より平均樹齢50年以上のブドウを使用。ピノ・ノワールらしい豊かな風味と、鮮明な酸のバランスが見事です。果実の凝縮感が口いっぱいに広がりますが、重厚過ぎず、気品が漂います。 ジャン・ポル・ロジェ氏が「自身のやりたい事の最大の結晶。」と語った自信作です。

実際にテイスティングをして感じたのは、”ワイン”として非常に高いレベルである事。 抜栓してすぐはもちろん、少し時間が経ってからでも美味しく楽しめる力のあるワインとして造られています。

「和食とのマリアージュが素晴らしい。」とジャン・ポル・ロジェ氏のコメント。確かに一つの個性が突出するのではなく、すべての要素が調和した彼のシャンパーニュは、幅広いお料理とマッチングが出来そうです。