単一年の奇跡と、熟成の魔法。ドン ペリニヨン最新作「2017」から遡る、偉大なる軌跡
最新作「ヴィンテージ 2017」のリリースにより、再び世界の熱い視線を集めるシャンパーニュの最高峰、ドン ペリニヨン。しかし、この偉大なメゾンの真価は、最新のリリースだけにとどまりません。過去に生み出された「バックヴィンテージ」にこそ、時間という魔法が織りなす圧倒的な魅力が秘められています。 今回は最新ヴィンテージの誕生を祝し、時を超えて輝き続ける同メゾンの深淵なる哲学と、熟成の秘密に迫る特別企画をお届けします。
「時間」というテロワール:ドン ペリニヨンの揺るぎない魅力
多くのシャンパーニュ・メゾンが、複数年のワインをブレンドする「ノン・ヴィンテージ」を主軸として味わいの均一性を図る中、ドン ペリニヨンは決してその手法を取りません。単一の年に収穫されたブドウのみを使用する「ヴィンテージ・シャンパーニュ」だけを造り続ける。それこそが、メゾンを象徴する究極のアイデンティティです。 自然の猛威により理想とする品質に達しない年は、潔く生産を見送る。例えば最新の2017年は、春の霜、初夏の高温、夏の終わりの多雨という「3つの相反する気象条件」に見舞われましたが、厳格な選別によりシャルドネは2000年以来の類まれなる成熟度を達成しました。この妥協なき決断と技術の連続が、すべてのボトルに「奇跡の年の証」としての圧倒的な価値を与えています。
修道士の夢と「美的理想」の追求
17世紀、オーヴィレール修道院の修道士ドン・ピエール・ペリニヨンが抱いた「世界で最高のワインを造る」という崇高な野望。その精神は、現在の醸造最高責任者(シェフ・ド・カーヴ)にまで脈々と受け継がれています。 彼らが掲げるのは、ピノ・ノワールとシャルドネの完璧な均衡から生まれる「美的理想」。まろやかさとシャープさ、曲線と直線。相反する要素を一つのグラスの中で調和させるアッサンブラージュの妙技は、まさに芸術の領域です。異なる年の気候を映し出しながらも、常に一貫したスタイルを保つその手腕は、プロフェッショナルをも魅了してやみません。
熟成の魔法「プレニチュード」:バックヴィンテージの真価
ドン ペリニヨンのバックヴィンテージを語る上で欠かせない概念が「プレニチュード(熟成のピーク)」です。このワインは、瓶内で酵母の澱(おり)とともに長く静かな時を過ごすことで、酸化を防ぎながらエネルギーを内側に蓄積していきます。 セラーで8年以上の熟成を要する最初のプレニチュードは、果実の生命力と調和に満ちた姿。そこからさらに熟成を重ね、およそ15年近くの歳月を経て至る「プレニチュード 2(P2)」では、エネルギーの拡大がピークに達し、燦然たるバイタリティを放ちます。時を遡るバックヴィンテージのグラスには、若き日には決して見せなかった深みと、唯一無二の個性が内包されているのです。
変化する官能的なテイスティングノート
グラスに注いだ瞬間から、ワインは時間の経過を雄弁に語り始めます。若いヴィンテージである2017年は、雨の匂いに包まれるようなフレッシュさの中に、ジャスミンの花や砂糖漬けのレモンピールを思わせるアロマを放ちます。 それが長いプレニチュード(熟成)を経ると、ドン ペリニヨンのシグネチャーである凛としたミネラル感を骨格に残しながらも、かつてないほど高く、歌い上げるような複雑な味わいへと昇華します。口に含めば、触覚に訴えかけるような構築的な立体感と、直線的に続く澄み切った余韻が静かに押し寄せます。 最新の2017ヴィンテージが持つ複雑な二面性を味わうとともに、プレニチュードを経たバックヴィンテージとの比較(垂直テイスティング)は、ガストロノミーにおける至高の体験となるはずです。
営業日のご案内
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