ジャクソンの真骨頂である700番シリーズの最新作、キュヴェ745が6月1日リリース。
700番シリーズの魅力と、最新#745の特徴をご紹介します。

一貫したジャクソンのスタイル

2000年の収穫分からヴィンテージを反映させるブレンドへと移行、唯一無二の存在感を放つシャンパーニュとして700番シリーズは独自の地位を確立してきました。

2022年6月1日より新発売となるキュヴェ745では、どのような表情を魅せてくれるのでしょうか？
プロフェッショナル向けに先行お披露目会として開催されたセミナーの様子をご紹介します。

今回特別に準備していただいた前作キュヴェ744との比較試飲によって、それぞれが持つ異なる個性、魅力が明らかになり、さらには一貫したジャクソンのスタイルにも出会う事が出来ました。

最新作：Cuvée no745

《ベースとなるヴィンテージ》2017年
《2017年の特徴》温暖多湿、収穫期の雨によって収量16％減。
《構成比率》80％⇒2017VTG、20％⇒744、743、742…
《アッサンブラージュ比率》
Ay、Dizy、Hautvillers（ピノ・ノワール、ピノ・ムニエ）　66%
Avize and Oiry（シャルドネ）　34%
《ドザージュ量》0.75g/L
《デゴルジュマン》2021年11月

例年のジャクソン的な味わいとは大きく異なる濃厚さを感じるスタイル

近年、ムニエの比率を下げて、ピノ・ノワール比率を増加させている700番シリーズですが、キュヴェ745は特にその傾向が強い仕上がりとなっています。グランクリュ・アイの西側に位置する単一区画『アイ・ヴォーゼル・テルム』のピノ・ノワールを全量使用。例年のジャクソン的な味わいとは大きく異なる濃厚さを感じるスタイルとなりました。

アタックからリッチな果実味が感じられ、力強くコクのある風味が口中を満たします。しかしながら、高品質なブドウ、必要最低限のドザージュのみで仕上げられたその味わいに過度な重たさはなく、ジャクソンの特徴的な引き締まった酸とミネラルがある種の清廉さとなって確かに佇んでいます。

驚くほど魅惑的な変化を感じる前半から、徐々にメゾンの一貫性が表現され、繊細な余韻へと続く見事な流れ。メリハリがあり、独自の美意識に支えられた異色の1本です。

前作：Cuvée no744

《ベースとなるヴィンテージ》2016年
《2016年の特徴》 非常に暑く、乾燥した天候。
区画毎にブドウの熟度を完璧に見定めながら断続的に収穫を進行。
《構成比率》80％⇒2016VTG、20％⇒743、742、741…
《アッサンブラージュ比率》
Ay、Dizy、Hautvillers（ピノ・ノワール、ピノ・ムニエ）　55%
Avize and Oiry（シャルドネ）　45%
《ドザージュ量》0.75g/L
《デゴルジュマン》2021年1月

張り詰めたエネルギーの中に優雅な酸とミネラルの存在感

リリース当時のイメージではテンションがあり、長期熟成のポテンシャルを感じる荘厳さに満ちた逸品でした。やや時間を経てからの今回の試飲でも、張り詰めたエネルギーの中に優雅な酸とミネラルの存在感があります。

745では赤い果実のふくよかなアロマが中心でしたが、744では柑橘類やハーブなどの清涼感のある香りの印象。凛とした酸がアタックから広がり、緊張感を保ちながらフィニッシュへと続きます。

気品、フィネスを備えた余韻は745，744に共通して感じられ、ジャクソン・スタイルの真髄を味わう事が出来ました。

メゾンとしての懐の深さを知る

今回のリリースではシングル・ヴィンヤードシリーズは『ディジー コルヌ・ボートレイ』のみ。
その他のブドウは全て700番シリーズ用に回されています。

人気キュヴェ『アイ ヴォーゼル・テルム』で使用するピノ・ノワールを余すところなく新作の745に注ぎ込み、その味わいにかつてない程の濃厚さが表現されました。

毎回、新しい発見を与えてくれるジャクソンですが、745ではメゾンとしての懐の深さを知る事が出来た気がします。一貫した方向性としなやかな柔軟性の両立。
ジャクソンがもたらす深遠な世界を是非、新作キュヴェ745で体感してください。