自然派シャンパーニュを代表する造り手、ブノワ・ライエが来日。人気生産者自らが”ヴィニュロンの仕事”について語ってくれました。

ヴィニュロン（栽培も行うワイン生産者）として大切にしていること

「普段は手に土を付けて、畑作業に没頭しています。馬での耕作していますが、これは代々受け継いできた土地と深く向き合える時間であると実感しています。同時に土壌への理解にも繋がっていると思います。

ヴィニュロンの仕事において大事なのは、よく観察して待つべき時には待つこと。気候は私達が唯一コントロール出来ないファクター。辛抱強く待って、観察し、より理解をすべく努力しなければなりません。

醸造の工程では効率的な部分も取り入れています。少しでも時間があれば、畑に費やしたいのです。それが私にとって最も重要です。」

次世代の生産者へ伝えたいこと

「直感的で感覚的な要素を次の世代に伝えていくことは容易ではありません。
畑での作業は学校で学べるでしょうが、真に理解しようとするならば現場に赴くべきです。
幸い、現世代と次世代のシャンパーニュ生産者達は、自分達の土壌について深い認識が持つ人々が多くいます。そのベースがあれば、今後も良いワイン造りは可能です。」

日本の愛好家への印象

「日本には心からワインを愛し、ワインへの広い知識を持った方々が多くいますね。また知識だけでなく、豊かな感受性で味わうことが出来ます。私と日本の方々を結んでいるのが、そのセンシビリティだと思っています。」

ブノワ・ライエの哲学

「シャンパーニュ地方は冬は寒さが厳しく、夏も非常に暑いです。今年の夏は35度の日もありました。しかし季節の移り変わりというのは、ワイン造りにはとても大切。畑だけではなく醸造においても季節は影響しています。ブドウの過去の記憶が、ワインになっても関係しているのです。」

ブノワ・ライエのシャンパーニュが持つ独特の繊細さがどこから生まれているのか。真摯な姿勢で丁寧に語る彼の言葉にその答えがあるような気がしました。

注目の赤ワイン“完成された秀逸なブジィルージュ”

ブノワの赤ワイン“ブジィ・ルージュ”と、“ピジョンとフォアグラのパイ包み焼き”のマリアージュ。ジビエの強い旨味と味わいにもしっかりと寄り添います。ピノ・ノワール最良のグラン・クリュと言われるブジィ村の中でも、ブノワのブドウが特別である事が実感できます。