グランクリュ・オジェ村全体の特徴を体現

シャンシーラはオジェの歴史あるブドウ栽培家で、現当主ベルトラン・シャンシーラが7代目を務めます。彼の曽祖父の代からシャンパーニュ造りを開始し、オジェ村にのみ、3.5haの畑を所有しています。

畑は40もの細かな区画に分かれているため、「オジェの一部の畑ではなく、村全体の特徴を体現できる」とベルトランは語ります。

RMとなんら変わらない質の追求とテロワールの表現へのこだわりをもつRC

慎ましい生産規模ゆえ、自社でブドウのプレス機を用意することができず、圧搾等の作業は村の協同組合に頼っているため、業態はレコルタン・コーペラトゥール(ブドウ栽培農家が所属する組合で製造し、栽培農家自身の名前で販売)となりますが、瓶内2次発酵や熟成、デゴルジュマン、ドサージュなどシャンパーニュ造りの要ともいえる行程は全てシャンシーラ夫妻の二人で行っています。

通常、栽培したブドウをただ協同組合に売る、もしくは納めたブドウと同量のデゴルジュまで済ませたシャンパーニュを受け取るRC(レコルタン・コーペラトゥール)が多いなか、シャンシーラではノン・ヴィンテージのシャンパーニュでも規定の2倍以上長い熟成を行うなど、RM(レコルタン・マニピュラン)となんら変わらない質の追求とテロワールの表現へのこだわりをもってシャンパーニュを生み出しています。

貴重なオジェ単独で瓶詰めされたシャンパーニュ

収穫したブドウを協同組合に預けるため、他の生産者のブドウもブレンドされてしまいますが、彼らのシャンパーニュはまぎれもなくオジェ100%。その結果、このグランクリュの代表的なキャラクターがより一層明確になります。

通常、オジェはアヴィーズやクラマンなど近隣の村とブレンドされるため、オジェ単独で瓶詰めされたシャンパーニュに出会う機会は非常に貴重と言えるでしょう。