代々受け継がれるRMのお手本のようなシャンパーニュ

1897年創業のクロード・カザルは、個性の異なるル・メニル・シュール・オジェとオジェの2つのグランクリュとその周辺のプルミエクリュのみに約9haの畑を所有するレコルタン・マニピュランです。

シャルドネの聖地コート・デ・ブランの最南端に位置し、「歴史上最もエレガントなシャンパーニュをもたらす」と最大の賛辞を受けるル・メニル・シュール・オジェは、しっかりとした骨格を持ち、最も長熟で最もエレガントと評されるワインを生み出します。

ル・メニル・シュール・オジェのすぐ北隣に位置するオジェでは、その独特な地形から、優しく熟した果実と穏やかな酸が備わり、大らかな気品が魅力的なワインが生み出されます。

大手メゾンにブドウ供給を一任される力量

クロード・カザルは長い間、ボランジェやルイ・ロデレールなどトップ・メゾンにブドウを供給しており、これらのメゾンと契約する栽培家のブドウを圧搾するプレス・ハウスも務めています。

2004年にル・メニル・シュール・オジェに醸造用セラーを新設してからは、プレスだけではなく果汁をワインにする工程も請け負っています。

ブドウの供給元となるだけにとどまらず、シャンパーニュ最高峰メゾンの数々に契約栽培家のブドウのプレスから醸造までを一任されていることからも、傑出した力量が伺えます。

シャンパーニュの発展にも貢献したRM

クロード・カザルの名はワイナリー名だけではなく、現当主デルフィーヌの父親であり発明家でもあった先代のクロード・カザルの名としても知られています。
彼の最も注目すべき発明のひとつがジロ・パレット。

これにより、それまで1ヶ月かけて手作業で行われていたルミアージュを数日に短縮できるようになりました。彼のシャンパーニュ造り全体の発展への貢献は大きいと言えるでしょう。

また、クロード・カザルのラベルを注意深く見てみると、RMではなくRCの表記されていることに気づきます。これは、小規模な家族経営であるクロード・カザルでは醸造スペースを一部屋しか設けることができず、法規制によりラベルにはRCと表記せざるを得なくなってしまったためです。

しかし実際には、醸造設備を持たない栽培家のための協同組合的なワイン造り(RC)と、RMとしてのワイン造りは、プレスからタンクまで完全に分けて行われているため、クロード・カザルのシャンパーニュは全て、自社畑のブドウのみから造られる正真正銘RMの作品と言えます。