希少なピノ・グリを栽培するRM「デロ・ドゥリュニー」を訪問しました
パリ在住の日本人女性ソムリエが、RMの4ドメーヌを訪問。
今回、最も印象に残ったのは希少なピノ・グリを栽培するRM「デロ・ドゥリュニー」
ピノ・グリを使ったシャンパーニュ造りと、キュヴェの特徴をご紹介します。
現代アートとシャンパーニュを楽しむ「Fine En Bulles」
この夏、クルット・シュル・マルヌ村で開催されたシャンパーニュのイベントに行って来ました。
その名も”Fine En Bulles”。
ヴァレ・ド・ラ・マルヌ地方に位置するこの小さな村は、パリから電車で1時間程で行ける距離。
シャンパーニュの生産地の中では最西端にあたります。
この村にあるRMをスタンプラリー形式で巡りつつ、各ドメーヌに展示された現代アート作品を鑑賞するイベント。
ドメーヌは9つ、アーティストは14名が参加しています。
それぞれが趣向を凝らした内容で、参加者を楽しませてくれていました。
私は最大5つのドメーヌで試飲可能なタイプのチケットを事前に購入。
喧騒溢れるパリを離れて、のどかなクルット・シュル・マルヌ村へ。
各ドメーヌで長居をした上に試飲量も進んでしまい、4つのドメーヌ訪問となってしまいました。(飲み過ぎました・・。)
訪れたRMは以下の通りです。
・R.GERBAUX(日本未輸入)
・DEROT-DELUGNY(デロ・ドゥリュニー)
・FRANCOIS BEDEL(フランソワーズ・ベデル)
・PIERRE LEREDDE(日本未輸入)
その中でも一際印象に残ったのがデロ・ドゥリュニーです。
幸運にも醸造室とカーヴの中を案内していただきました。
ピノ・グリを使った独自のキュヴェが特徴の「デロ・ドゥリュニー」
まずはデロ・ドゥリュニーについて簡単にご説明します。
Derot Delugny(デロ・ドゥリュニー)
ヴァレ・ド・ラ・マルヌ地方にあるクルット・シュル・マルヌ村で、1929年に創設されたRM。
シャンパーニュ地方の古代品種であるピノ・グリを使った独自のキュヴェを生み出しています。
現在は4代目にあたるローランさんが中心となって、ドメーヌを牽引しています。
可愛らしい入り口を抜けると、室内にはセンス良くデザインされたテイスティングルームを完備。
温度管理機能付きのステンレスタンクが整然と並ぶ醸造室を隣に併設しており、地下にはカーヴが広がっています。
およそ100,000本がここで保管、熟成されています。
デロ・ドゥリュニーではこの地方の主要品種であるピノ・ムニエをメインとしながら、ピノ・ノワール、シャルドネも栽培。
そして何と言ってもこのドメーヌを象徴するピノ・グリを僅か0.5haの区画で大切に育てています。
「このあたりのテロワールはピノ・グリに適していると思います。
しかし、この村でピノ・グリ100%のキュヴェを造っているのは私達だけ。
ピノ・グリだけで素晴らしいシャンパーニュを造るのは容易ではないのです。」とローランさんは語ります。
ヴァレ・ド・ラ・マルヌの丘に位置する12haの自社畑ではテロワールを尊重したリュット・レゾネ栽培を実施。
出来る限り自然の力を活かしながら、多くの時間を畑作業に費やしています。
ピノ・グリ100%で造るキュヴェ・デ・フォンダトゥールは大変希少な為、単一年では醸造が出来ません。
故に複数のヴィンテージワインをアッサンブラージュする事で限られた本数を造っているそうです。
100%ピノ・グリで造られたキュヴェ・デ・フォンダトゥール ブリュットを試飲
試飲したのは日本未発売のBrut Coiffe d'or(ブリュット・コワッフ・ドール)と、Cuvee des Fondateurs Brut(キュヴェ・デ・フォンダトゥール ブリュット)。
前者はピノ・ムニエ80%にシャルドネ20%の構成。
ピノ・ムニエの果実味を活かした滑らかな味わいながら、シャルドネの特徴的なフレッシュさがバランスを美しく整えています。
後者はブラン・ド・ブランですが、シャルドネ100%のものとは明らかに性質が異なっています。
フローラルなアロマ、リンゴの蜜を思わせるコクがありながら、包み込むような柑橘類の爽やかさが全体をエレガントな印象に。
「ピノ・ノワールとシャルドネ、それぞれの良さを半分ずつ表現したような個性でしょう?」とローランさんの言葉に納得しました。
クルット・シュル・マルヌ村の素朴な雰囲気が、デロ・ドゥリュニーのシャンパーニュに感じる優しさとなって表れているようでした。
それは私達を暖かく迎えてくれた彼らの雰囲気とも重なります。
一方で、味わいのスタイルはとても繊細で洗練されています。日々のきめ細やかな作業の賜物だと感じました。
「シャンパーニュ造りはね、ずっと目が離せなくて大変なんだよ。」3代目であるフランソワさんの一言。
その表情はとても穏やかで、どこか嬉しそうで、シャンパーニュへの愛情が深く伝わってきました。
ようやく入荷した心のこもった彼らのシャンパーニュを是非皆さんに味わっていただきたいです。
営業日のご案内
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