CM（共同組合）を代表するメゾンの一つ、「マイィ グラン・クリュ」村名が付けられることが許された唯一のメゾンであり、マイィ村のブドウだけでシャンパーニュを造り続けています。

今回は社長ジャン・フランソワ・プレオ氏が来日。
マイィがもつ「真逆の個性」とは、そして一つの村から協同組合が出来るまでのストーリーを特別に語って頂きました。

真逆の性質、マイィ村の個性とは

まずはメゾンについて。マイィ グラン・クリュは1929年設立。メゾンとしては中規模で約50万本生産。ブドウを混ぜずに区画ごとに別々に醸造します。一つ一つの区画の特徴がよく出た、小規模RMのような製造方法がメゾンの個性のひとつです。

マイィ村のピノ・ノワールは最もエレガントだと言われています。 また、シャルドネはコート・デ・ブラン地区のものと違い、ミネラル感の無い丸みのあることが特徴です。

ピノ・ノワールがエレガントで、シャルドネが丸みを持つ、つまり通常とは真逆の性質があることから「マイィ村ではピノ・ノワールがシャルドネの歌を唄い、シャルドネがピノ・ノワールの歌を唄う」と例えられるそうです。

真逆の性質を持つ理由は、マイィ村に北斜面が多いことにあります。

これは、モンターニュ・ド・ランスの丘の北側に位置しているためで、丘の南にあるブージィ村、アンボネイ村とは性格が異なります。
ブドウの成長に時間がかかる北斜面では、爽やかさを備えたピノ・ノワールが出来上がります。そして、シャルドネは最もフレッシュな味わいになり、繊細さ、女性らしさを備えます。

共同組合が設立されたきっかけ

一つは、マイィは1920年台に設立されましたが、当時は世界大戦の影響で、栽培者が安定しなかったためです。

そして、栽培者一人では大手メゾンと交渉できない時代でした。

栽培者一人一人の作業には仲介人が必ずついていて、自分たちの仕事の適正な対価が得られない状態になっていました。
そこで、栽培者達は、自分たちでブドウをキープし、団体で交渉することを決めました。

街の一区画を購入し拠点とし、収穫したブドウは売らずに確保。 買い叩かれないように交渉を始めます。

しかし、これに怒った当時の大手ネゴシアンは、マイィのブドウを一切買わない姿勢をとりました。
買ってもらえないままワインが出来てしまい、自分たちの手で売るしかなくなったことが始まりです。

こうした出来事から、銀行や大手ネゴシアンにも頼らない、栽培からボトリングまで自分たちで行う組織とする事を決め、1920年にグラン・クリュ　マイィが設立されました。

マイィを堪能するワイングラスとは

アペリティフ(食前酒)ならアロマより爽やかさが大事、フルート型が良いと思います。

食事とワインであれば、発泡性を少し損ないますが、アロマが感じられる白ワイングラスがおすすめです。
また、白ワイングラスを使うと質の悪いシャンパーニュがすぐに分かります。品質を感じられるのが白ワイングラスなのです。

まとめ

【ロゼは食前酒や赤い果実のデザート、鹿肉などの赤身にもぴったり】

マイィグランクリュは、シャンパーニュの中でも稀な存在で、唯一無二のスタイルであることが感じられました。
マイィのピノ・ノワールは飲み疲れしない事で評判です。偉大なブージィ村やアンボネイ村とは「真逆」のもう一つのグランクリュをぜひお楽しみ下さい。