１区画のブドウだけを味わう贅沢が“単一畑”

近年、小規模のRM生産者を中心に、多様で個性的なシャンパーニュが拡がりをみせています。その中でも高い品質と個性を感じられる「単一畑」にこだわったシャンパーニュをご存知でしょうか。

単一畑（リュー・ディ）とは、1つの村の中でも、ある1区画の畑のブドウだけを使って造られたシャンパーニュです。
ヴォーヌ・ロマネ村の中でもロマネ・コンティの区画が特別であるように、シャンパーニュでもその魅力を味わえる希少なキュヴェが人気を博しています。

エリック・ロデズが醸す単一畑の極上キュヴェ

年に一度入荷するエリック・ロデズの希少シャンパーニュに、昨年から”リュー・ディ”シリーズが加わりました。グランクリュ・アンボネイにある単一畑から醸されるエリック・ロデズ史上最もピュアで優美なブラン・ド・ノワールです。

ラインナップの中から”レ・ボーリー”と”レ・ジェネット”を極上の料理と合わせながら、比較試飲。2つのキュヴェの個性と楽しみ方をワインアドバイザー安永がご紹介します。

エレガンス際立つ”レ・ボーリー”

東に面した単一畑”レ・ボーリー”は、表土の厚さおよそ35cm。”リュー・ディ”シリーズの中でも特に表土が浅く、チョーク層が比較的近い土壌です。それ故に味わいにもミネラリティがしっかりと感じられます。

アロマは小さな赤い果実の凝縮感があり、純粋な力強さに満ちています。モンターニュ・ド・ランス地区でも南東部に位置するアンボネイならではのエレガンスが感じられます。
クリーンでしなやかな”レ・ボーリー”はブラン・ド・ノワールでありながら、繊細な魚料理と相性抜群です。この日登場したのは明石港で水揚げされた魚3種のカルパッチョ。

オーナーシェフのこだわりでそれぞれの魚は熟成させたものです。〆てから2日目の舌平目、3日目の太刀魚と黒鯛。当日〆た魚では体験できないしっとりとした質感、旨味があり、この滋味深さがヴィンテージ・キュヴェによく合います。

続いて真鱈白子のムニエル。”レ・ボーリー”の柔らかな質感が、白子の程良い濃厚さとクリーミーさをより引き立てます。時間の経過と共に香りが開いていきましたが、シャープさはそのままに気品を保ち続けています。

豊満でまろやかな”レ・ジェネット”

”レ・ボーリー”に比べるとより濃い黄金色。しっかりとした色調からエネルギッシュな印象を受けます。”レ・ジェネット”は南向きから南東向きの単一畑で、チョーク質までの厚さは約45cm。粘土質の割合が多くなり、豊満さや重厚さをワインにもたらしています。

魚介の出汁たっぷりのコクのあるブイヤベースに、”レ・ジェネット”の豊かなボディがベストマッチ。リンゴの蜜や果実感溢れる風味に、ブドウのポテンシャルの高さが表れています。 明石産ムール貝や野菜のうまみが溶け込んだ絶品のスープに負けない強さがあります。

抜栓から30分〜1時間程経つと、上質なブラン・ド・ノワールの醍醐味が出てきました。赤ワインソースで仕上げた仔羊のグリルに、丁度よいボリューム感です。
温度が上がってもクリアな輪郭を保ったまま、ワインとしての厚みが増していくようです。グランヴァンのように口に含んだ瞬間に緻密さが広がり、たっぷりと詰まった酒質が特徴的。

最後はブイヤベースをリゾット仕立てに。最良のシャンパーニュと美食で心も体も満たされました。魚介中心のメニューにも2つのキュヴェは最適な組み合わせとなりました。

単一畑ならではの独自のテロワールをきっちりと表現したエリック・ロデスの”リュー・ディ”シリーズ。時間の経過と共にそれぞれのキャラクターが一層明確になったように感じます。 スタンダードクラスとはまったく異なった表情が楽しめる偉大なシャンパーニュを是非お楽しみください。

《ご協力いただいたお店》

ビストロ ログシー様

〒673-0891 兵庫県明石市大明石町１丁目１３−５ 槌屋ビル2F
TEL： 078-915-2664

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神戸三ノ宮から約20分。明石港に近い立地を活かし、新鮮な魚介料理が堪能できるスタイリッシュなビストロ。絶品フレンチと居心地の良さでリピーターが足繁く通っています。 オーナーシェフこだわりの食材とワインで訪れる度に楽しませてくれます。