定着化した”ビオ”というカテゴリー

ワイン、シャンパーニュ市場において、もはや一つのカテゴリーブランドと言っても過言ではない程”ビオ”と付く商品が溢れています。それほどに”ビオ・ワイン”は支持され、ブームの域を超えて既に選択肢として定着したと言えます。

日本では自然農法においてはっきりとした定義がないものの、一般的に”ビオ”と称されるワインを大きく二分すると、”ビオロジック”と”ビオディナミ”が挙げられます。EUではいくつかの認証団体があり、規定に沿って各々の認証しています。（認証を受ける、受けないは生産者の自由です。）

農薬や化学肥料を用いず、有機肥料を使って昔ながらの自然なアプローチを行うのが”ビオロジック”農法。ビオロジック農法をベースとしながらも、月の暦に従い宇宙との関係なども考慮した自然・超自然的な観点から生物との調和を追求するのが”ビオディナミ”農法です。

緻密かつ厳格なビオディナミ農法

ビオディナミ農法は細かな理論があり、実践には大変な労力が必要です。元々は人智学を唱えたオーストリアの思想家ルドルフ・シュタイナー（1861〜1925年）が提唱した手法。

ブドウ栽培においてビオディナミ農法は緻密かつ厳格に実行され、ワインの品質に明確に反映されるようになりました。シャンパーニュではデュヴァル・ルロワの元醸造責任者エルヴェ・ジェスタンが更に独創的な考えに基づき、劇的に発展させています。

エルヴェ・ジェスタンは現在独立した醸造コンサルタントとして活躍し、奇才と称されるほど。各方面で影響を与え、ビオディナミの枠を超えてシャンパーニュ業界全体に変革をもたらす可能性を感じさせます。